組織を破壊する「悪い精神論」

組織論

精神論が世の中にはびこる中で、どのように生きていくべきなのでしょうか。

どのような業界でも、多かれ少なかれ精神論は存在します。ただし、その使われ方に問題があるため、労働者を苦しめているのです。

今回の内容は、私が超の付くブラック企業に務めた経験を踏まえて、精神論の闇をお伝えします。

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世の中は未だに「悪い精神論」であふれている

習うより慣れよ!

昔気質の人が言うセリフの代表格です。このワードを多用して、仕事は教わる側が努力するものだという、なんとも非効率な理論を押し通します。

知識や技術を先に習得するからこそ早く慣れるのであって、それを怠っていてはどんなに良い人材も育ちません。

若い働き手が不足しているこの時代に、そんなことしていたら誰も定着しないのは、火を見るよりも明らかです。

頑張れば何とかなる!

確かに、頑張ればある程度は何とかなるでしょう。しかし、頑張るだけの努力はすぐに限界を迎えてしまいます。

何をどのように頑張ればどうなるのか。その視点が抜けた状態で努力だけをしても、「よく頑張ったね」「で?」で終わってしまうでしょう。

これは明らかに能天気すぎる精神論です。

努力が足りない!

そう言われてもねぇ・・・どこがどう足りないのか、理解に苦しむ一言です。

理由を本人に問いただしても、「それはお前が考えることだ!」とか「そんなこともわからないのか!」とか言われて、明確な答えはいただけません。

おそらくアドバイスできるだけの能力がないんでしょうね。努力と根性は精神論の王様として君臨し、それを振りかざす人は裸の王様でしかありません。

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「悪い精神論」がはびこる理由

根本は日本の伝統的な慣習

我慢して努力するのが美徳とされているのは、日本古来の伝統です。しかしそれが諸悪の根源というわけではありません。

労働者をこき使うために都合よく曲解され、あたかも正しいことであるように根付かせてしまったことが悪なのです。

滅私奉公の精神は、仕える価値のある主人に対するものであり、人をモノとして扱うような暴君には当てはまらないと思って、従わないようにしましょう。

課題解決能力の欠如

様々な問題に直面した時に、その人間の真価が問われます。通常であれば、困難を克服するために現状分析を行い、問題を解決する糸口を見つけ出そうと努力するものです。

しかし、そういったロジックに至らない残念な人たちが多いため、とりあえず頑張るといった思考になるのです。

これは、高度経済成長が招いた負の遺産と言ってもいいでしょう、

納得性と生産性の相互関係に疎い

私は、仕事の内容に納得しているか否かで、生産性は大きく変わると思っています。なぜこの仕事が必要なのか?何が求められているのか?そういった情報により、成すべき道が見えてきます。

そこからベースとなる仕事の流れができあがり、さらに担当者のエッセンスを加える事によって仕事がブラッシュアップされるのです。

しかし、この関連性に気づいてない残念なお方は、一言でも質問しようものなら「ま~ずいいからやって」と言い放ってくるでしょう。

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組織を蝕む「悪い精神論」

仕事の完成度が低いままになる

悪い精神論がはびこっていると、任された仕事の意味や意義、目的とその重要性が明らかでないまま対応を強いられます。

道筋が不明確なまま進むしかないので、当然ながら必要とされる結果は得られません。

でも、うまくいかないことを頑張りが足りないせいにされるので、当然本人の志気は下がる一方になり、負のスパイラルに陥ります。

仕事の仕組みが構築されない

仕事をこなす上での原動力が個人の努力と根性なので、おのずと仕事の属人化が進みます。

仕事がうまくできている人は、仕組みづくりによる効率化に成功しているものです。しかし無能な上司は「頑張っているから」という理由で評価するために、その中身については深掘りしません。

そういった環境下では、業務単位での仕組み作りが共有化されず、組織全体での効率の良い業務フローは確立されないのです。

何も考えない上司が蔓延する

ノリと勢いだけの上司にとって、悪い精神論ほど都合のいいものはありません。

マネジメントが十分にできなくても、努力と根性という呪文を唱えるだけで、責任を部下に丸投げできるからです。

世間には努力と根性の御旗のもとに、部下同士を競い合わせるだけの無能なマネージャーが腐るほどいますが、そういう輩が部下を消耗して、組織を弱体化させているのです。

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「悪い精神論」が蔓延した組織の末路

デキる人間が居なくなる

仕事ができる人は、抽象的な感覚論はあまり好みません。たとえ論理的に提案しても、精神論で覆されるのでは、そりゃいなくなりますよ。

頭ごなしに「それはちょっと我々の精神に反する」なんて言われたら、それ以上は話が進まなくなるわけですからね。

お互いに理論的な会話を進めるからこそ、そこに解決策が見出せるのですが、進化を忘れた恐竜には言葉は通じないのです。

人間関係が崩壊する

悪い精神論は、人の深層心理に訴えかけて物事を進めようとするので、受ける側が心の病に陥る要素を多分に含んでいます。

言っている本人にその気がないとしても、受け取る側は強要や人格否定されている気持ちになるので、相手に対して一線引いた対応になります。

上司と部下の関係だけでなく、同僚との間は何おいても同じなので、信頼関係は構築されません。一般的には「精神論」と言っていますが、「精神崩壊論」と言い直しても過言ではないでしょう。

ポンコツのスパイラルに陥る

職場を正しい方向に導く人がいなくなり、人間関係が崩壊すると、途端に職場の環境が悪化し始めます。

事態が悪くなったことを精神論で咎められるために、環境の悪化が二次関数のグラフのごとく加速します。

退職者が相次ぐために補充の採用を試みますが、劣悪な環境のため定着することはありません。終わりの始まりです。

まとめ

ブラック企業では未だにまかり通っている精神論。ここまでの説明で、精神論に頼る弊害を理解できたと思います。

ただし、精神論が全て悪いとは感じません。要は使い方次第なのです。精神論は人を活かしも殺しもする道具なので、相手の能力を引き出す正しい使い方を身につけなければいいだけなのです。

では、どのようにすれば身につけられるのでしょうか。まずは自分自身で考えてみてください。ちなみに私は知っています。

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